もう4年ほど前になるでしょうか。
長くお付き合いのあるお客様との会話の中で、「親戚が沖縄で化粧品工場を始めた」という話を耳にしました。そのときは、へえ、そうなんだ、くらいの気持ちでした。
それから数年が経った頃、ふとあることに気がつきました。
そのお客様の肌が、変わらないのです。
いいえ、正確に言うと「変わらない」というより「良くなっていく」。年齢を重ねているはずなのに、もちもちとして水分量の高い肌が、年々増していくように見えたのです。触れると手に吸い付くような、あのもちもち感。
普通、肌というのは年齢とともにコンディションが揺らいでいくものです。それなのに、このお客様は逆行するように、肌の状態がどんどん良くなっていく。
「なぜだろう」
そう思って伺うと、日常的に使っているオイルがあるとのことでした。ときにはそのオイルを塗ってお風呂に入る、オイルパックのようなこともしているそうです。
それが、沖縄で作られているタマヌオイルでした。
数年前に聞いていた「親戚が沖縄で化粧品工場を始めた」という話と、目の前の変化が、静かに繋がった瞬間でした。
興味が湧きました。エステティシャンとして26年、数えきれないほどのお肌を見てきましたが、こんなふうに時間の経過に逆らうような変化を見せてくれたお客様は、そう多くありません。
「親戚が沖縄で化粧品工場を始めた」という何気ない一言
タマヌオイルは、沖縄産の純国産オイル。そしてこのオイルとの出会いは、あるお客様のご親戚を通じた、まさに「ご縁」としか言いようのないものでした。
私がこの原料に惹かれた理由は、単純です。この「ご縁」に惹かれたから。
華やかな謳い文句や、大きなブランドの後ろ盾があったわけではありません。ただ、新潟に暮らす一人のお客様と、沖縄で丁寧にオイルを作る誰かと、そして私。その細い糸のようなつながりに、何か特別なものを感じたのです。
ここから、Jeanne d’Orという商品が生まれるまでの物語が始まります。
次回は、このタマヌオイルを商品として仕上げていく過程――新潟の冬という思いがけない壁と、それをどう乗り越えたかについてお話しします。

