ゴルフのご縁から、モンゴルへ

森口臨の話
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今回モンゴルへ行くことになったきっかけは、実は趣味の一つのゴルフでした。
ゴルフのメンバーというのは、日常ではなかなかご一緒できないような方々ばかり。仕事も、立場も、暮らしているフィールドもまったく違う方たちと、ラウンドを重ねながら少しずつ言葉を交わしていく。
そんな中で「今度モンゴルに行くけど、一緒に行く?」という話がふと出て、気づけば本当に飛行機に乗っていました。
こういう予定外の展開こそ、大人になってからの旅の醍醐味だなと感じます。
日常ではなかなかご一緒できない方々だからこそ、価値観や仕事の話、人生の先輩としての言葉に触れられる時間は、本当に勉強になるものでした。

まさかのハプニング、荷物の連絡違い

出発前、荷物についての連絡事項を少し取り違えてしまい、まさかのオーバーバゲッジ。

行きと帰りで合計15,000円の追加料金がかかってしまいました(笑)。
空港のカウンターで「あ、これは聞いていた話と違う…」と気づいたときの、あの何とも言えない気まずさ。でも文句を言ったところでどうにもなりませんし、むしろ「まあこういう日もあるか」と笑って支払う方が、旅全体の空気を軽くしてくれる気がしています。完璧に段取りできなくても、それでいい。むしろこういう小さな失敗こそ、あとから振り返ると一番よく覚えている旅の思い出になったりするから不思議です。

空の上では、静かに読書の時間

行きも帰りも、機内ではひたすら読書。
窓の外に広がっているはずの景色を眺める余裕もないほど、ページをめくることに没頭していました。

なんて強がりです。
実際は中央の真ん中席でしたので何も見えず・・。
普段の生活の中では、こんなにまとまった「何もしなくていい時間」ってなかなか作れないものなのでたまにの読書になりました。

誰にも呼ばれない、電話も鳴らない、ただ座って本の世界に入り込むだけ。移動時間というのは本来、目的地に着くための「間」でしかないはずなのに、今回はその「間」こそが、一番心が休まる時間だったように思います。
景色を見逃したことに少し悔しさもありますが、その分、心の中にはしっかりと物語が積み重なりました。

どこまでも広がる大草原と、越後平野の記憶

モンゴルに着いて最初に驚いたのは、どこまでも広がる大草原でした。
地平線まで続く高原の景色を前にして、一瞬「あれ?これって越後平野じゃないかしら?」と錯覚してしまうほど。もちろんスケールはまったく違います。日本の田園風景は、山に囲まれ、家々や田んぼの区画で細やかに区切られた「守られた広さ」。一方でモンゴルの草原には、区切るものが何もない。地平線までただただ緑と空だけが続いていて、人の手が入っていない「本来の広さ」がそこにありました。それでも、どこか懐かしさを感じてしまったのは、故郷の原風景が私の中に深く根づいているからなのかもしれません。慣れ親しんだ景色と、まったく未知の景色が、一瞬だけ重なって見えた不思議な感覚。あの瞬間は、今でもはっきりと覚えています。

羊料理に驚きの効能

そしてお料理が、本当に最高でした。モンゴルといえば羊料理というイメージはありましたが、実際にいただいてみると、臭みなどまったくなく、むしろ滋味深くて、体にすっと染み込んでいくような美味しさ。
焼いても、煮ても、蒸しても、それぞれの調理法で違う表情を見せてくれる羊肉に、毎食すっかり夢中になってしまいました。しかも食べているうちに「便がするする」と、思わぬ体感効果まで(笑)。日頃、エステティシャンとして体のめぐりや巡回について仕事柄考えることが多いのですが、モンゴルの食文化そのものが、体の巡りを整える知恵の集積なのかもしれないと、食べながら妙に納得してしまいました。体の中からすっきりする感覚は、旅先ならではの、忘れられない発見のひとつです。

一眼レフの出番がなかった日

今回はせっかく新しい広角レンズまで用意して、一眼レフを持って行ったのに、実は使うチャンスがほとんどありませんでした。

ちょうどモンゴルの建国記念日のような特別な日にあたっていたそうで、道路が封鎖され、馬に乗ることも、目当ての高原に出ることも叶わず。

「あの大草原を、広角レンズでめいっぱい収めるんだ」と意気込んでいた分、正直かなり肩透かしを食らった気持ちになりました。
ただ、こういう予定通りにいかない瞬間こそ、旅の醍醐味なのかもしれないとも思います。
完璧に撮れなかったからこそ、次にまた行きたいという理由ができた。
カメラを構える代わりに、目に焼き付けることに集中した数日間。それはそれで、悪くない旅の形だったと、帰ってきた今は思えています。
次の機会には、必ずあの高原にレンズを向けたいと思います。

街で見つけた、朝青龍・白鵬御用達のお店

街中を検索していたら、朝青龍関や白鵬関が御用達だというモンゴル衣装のお店を発見しました。
せっかくのご縁だと思い、思い切って足を運んでみることに。お店に一歩入ると、色鮮やかなデール(モンゴルの伝統衣装)がずらりと並んでいて、その刺繍の細やかさや生地の重みに、思わず見入ってしまいました。試着まではしなかったのですが、お店の方といろいろお話ししながら、それぞれの柄や色にどんな意味があるのか、どんな場面で着るものなのかを聞かせていただく時間がとても楽しくて。

買い物というよりも、ちょっとした異文化交流のような、心が満たされるひとときでした。

着るものひとつに、その土地の歴史や誇りが宿っているのを感じられるのは、旅の醍醐味のひとつだなとあらためて実感しました。

笑う角には福来たる

今回一緒に過ごしたゴルフメンバーは、とにかくよく笑う方々でした。
何か特別な出来事があったというより、常にその場の空気そのものが軽やかで、笑い声が絶えない時間が続いていました。
荷物のハプニングも、天候で予定が崩れたことも、誰かが失敗しても、全部その場でふわっと笑いに変わっていく。
深刻になりそうな瞬間も、誰かのひと言で空気がふっとほどけていく、そんな不思議な心地よさがありました。
「笑う角には福来たる」とはよく言ったもので、今回の旅の一番の学びは、目的地でも景色でもなく、この笑いの力だったのかもしれません。
緊張感のある場面でも、笑いがあるだけで人は不思議と柔らかくなれる。そのことを、今回のメンバーからたくさん教えてもらった気がしています。

旅から戻って、あらためて思うこと

完璧じゃなくていい。荷物が超過しても、予定していた景色が見られなくても、それでいい。
むしろ計画通りにいかなかった部分にこそ、心に残る何かがちゃんと隠れているものだなと、今回もあらためて感じさせられました。

異国の広い空の下で、日常とはまったく違う時間の流れに身を置いたこと。
よく笑うご縁ある方々と過ごせたこと。それだけで、この旅は十分に豊かなものでした。
旅から帰ったら、まずはゆっくりお風呂に浸かって、心と体をほどく時間を。非日常から日常へ、少しずつ自分を取り戻していく、その過程もまた大切な時間だと思っています。

— Nozomi ☺︎